ファイナンシャルプランナーを目指す初心者向けに、FPの仕事の概要と、資格取得に向けた基本知識を簡潔に紹介します。
ファイナンシャルプランナー(FP)って?
リリーさん、ファイナンシャルプランナーってどんな仕事をするの?
ファイナンシャルプランナーはね、人々の夢や目標をかなえるためのお金の計画を手助けする専門家よ。
ライフプランに基づいた資金計画の立案が主な仕事なの。
ファイナンシャルプランナーは、クライアントの資産、収入、支出を分析し、リスクを考慮しながら最適な財務計画を提案します。
投資アドバイス、税務、保険選定、退職計画など、多岐にわたる専門知識が必要とされる職業です。
ライフプランニング
ライフプランニングって聞いたことあるけど、それって何をするの?
ライフプランニングはね、将来の夢や目標を叶えるために資金計画を立てる事よ。
例えば、いつ家を買うか、子供の教育費はどうするか、老後の生活はどうしたいかを考えるの。
その目標を達成するために、いつ、どれくらいのお金が必要になるのかを計算して、それに合わせて貯蓄や投資をしていくのよ。
その手助けをファイナンシャルプランナーがしてあげるんだね。
FPの業務アプローチ
ぶり君、FPの業務アプローチには、クライアント一人ひとりに合わせたカスタマイズが重要よ。
どういうこと?
決まった方法じゃダメなの?
それぞれのクライアントには異なるニーズや目標があるから、その人特有の状況を理解し、個別に最適なプランを提案するのが大切。
クライアントの全体的な財務状況を把握し、リスク許容度や将来の目標に基づいて計画を立てるのよ。
具体的には次のステップを踏むわ。
FP業務の6ステップ
1. クライアントとの関係構築
このステップでは、信頼関係の構築が重要です。
クライアントの期待や要望を正確に把握し、対話を通じて相互理解を深めます。
これは、適切なプランニングを行うための基盤となります。
2. クライアントの現状の分析と目標の設定
クライアントの財務状況、リスク許容度、将来の目標などを詳細に分析します。
ここで得られた情報を基に、実現可能な目標を設定します。
3. プランの作成と提案
分析結果に基づいて最適なファイナンシャルプランを作成し、クライアントに提案します。
この段階では、プランの理解とクライアントの合意が重要です。
4. プランの実行
クライアントがプランに同意したら、具体的なアクションを起こします。
これには、資産運用、保険の見直し、貯蓄計画などが含まれることがあります。
5. モニタリングと進捗管理
プランの実行後も、定期的なモニタリングが重要です。
市場の変動やクライアントのライフステージの変化などに応じて、プランを調整する必要があります。
6. 再計画の実施
最終ステップでは、定期的にプランを見直し、クライアントの現在のニーズに合わせて調整します。
これにより、長期的なファイナンシャルゴールの達成を目指します。
ライフプランニングに使用するツール
次に、ライフプランニングに使用する3つのツールを紹介するわ。
ライフイベント表
クライアントの人生の大切なイベントを時系列で並べるツールです。
結婚、住宅購入、子供の教育、退職など、ライフイベントごとの費用とタイミングを明確にします。
経過年数 | 現在 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
夫(歳) | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 |
妻(歳) | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 |
娘(歳) | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
息子(歳) | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
ライフイベント | – | 娘 中学 入学 | – | – | 娘 高校 入学 | 息子 中学 入学 | – | 娘 大学 入学 | – | 息子 高校 入学 |
必要金額(万円) | – | 30 | – | – | 200 | 30 | – | 400 | – | 200 |
キャッシュフロー表
クライアントの収入と支出を記録するツールです。
毎月の生活費、ローンの返済、貯蓄額などを把握して、将来の資金計画を立てるのに役立ちます。
カテゴリー | 変動率 | 現在 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
給与収入 | 1% | 500 | 505 | 510 | 515 | 520 | 525 | 530 | 535 | 540 | 545 |
その他の収入 | – | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
収入合計 | – | 500 | 505 | 510 | 515 | 520 | 525 | 530 | 535 | 540 | 545 |
生活費 | 1% | 300 | 303 | 306 | 309 | 312 | 315 | 318 | 321 | 324 | 327 |
ライフイベント支出 | – | 0 | 30 | 0 | 0 | 200 | 30 | 0 | 400 | 0 | 200 |
その他の支出 | 1% | 50 | 50 | 51 | 51 | 52 | 52 | 53 | 53 | 54 | 54 |
支出合計 | – | 350 | 383 | 357 | 360 | 564 | 397 | 371 | 774 | 378 | 581 |
年間収支 | – | 150 | 122 | 153 | 155 | -44 | 128 | 159 | -239 | 162 | -36 |
貯蓄残高 | – | 650 | 772 | 925 | 1080 | 1036 | 1164 | 1323 | 1084 | 1246 | 1210 |
補足説明
- 収入欄には、税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得を記載します。
- 変動率は、変化の割合の事です。給与であれば昇給率、生活費であれば物価の上昇率(インフレ率)等を概ね予想して記載します。
個人バランスシート
資産と負債の状況を示すツールです。
この表を使って、クライアントの資産状況を全体的に把握し、資産運用や財務計画の参考にします。
【資産】 | 詳細 | 金額 | 【負債】 | 詳細 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
現金・預金 | 普通預金、定期預金など | 500 | 住宅ローン | 1500 | |
投資資産 | 株式、債券、投資信託など | 300 | 自動車ローン | 100 | |
退職給付資産 | 退職金、企業年金など | 200 | 教育ローン | 50 | |
不動産 | 自宅、投資用不動産など | 2500 | クレジットカード | 10 | |
自動車・家財 | 車、家具、家電など | 100 | その他借入 | 個人ローンなど | 20 |
その他資産 | 特許権、著作権など | 50 | 負債合計 | 1680 | |
【純資産】 | 1970 | ||||
資産合計 | 3650 | 負債・純資産合計 | 3650 |
補足説明
- 資産には取得額ではなく時価(生命保険は解約した場合の返戻金相当額)を記載します。
- 負債には現時点での残債を記載します。
- 資産合計額と、負債・純資産合計額は必ず同じ値になります。
FPとコンプライアンス
コンプライアンスって言葉を聞くけど、FPの仕事でそれがどう関わってくるの?
コンプライアンスは、法律や規則を守りながら仕事をすることを指すの。FPは、正しい情報を基に透明性のあるアドバイスをしなきゃいけないし、クライアントのプライバシーを守ることも大切なのよ。
それって、具体的にはどんなことをするの?
FPとして守るべきことには、主に次のようなことがあるわ。
FPの遵守事項
- クライアントの利益を優先すること。
- クライアントの個人情報を、本人の許可なく漏らさないこと。
- クライアントにプランを提案する際の説明義務。
コンプライアンスは、ファイナンシャルプランナーが法律や倫理的な基準を守ることを意味します。
クライアントへの透明性の高い情報提供はもちろん、個人情報保護法に代表されるような、顧客の情報を守る法律を遵守することが求められます。
不適切な商品の推薦や、適切でない投資方法の勧めは、法律違反になるだけでなく、FPとしての信頼を失うことにもつながります。
FP業務に関わる関連法規
リリーさん、FPの仕事って、どんな法律と関係があるの?
いくつか重要な法律があるわ。例えば、消費者契約法、金融サービス提供法、税理士法、弁護士法、社会保険労務士法、保険業法、金融商品取引法が挙げられるわね。
消費者契約法
この法律は、消費者が不利益な契約を無効にできる条件を定めています。
FPは、この法律に則って、不公平な契約からクライアントを守る役割があるのです。
金融サービス提供法
金融商品やサービスを提供する際のルールが定められている法律です。
透明性と公正性を保ち、クライアントに適切な情報提供をすることが求められます。
税理士法・弁護士法・社会保険労務士法
これらはそれぞれ、税務、法律、社会保険に関する専門家の職務範囲を定めているものです。
FPはこれらの専門家と連携しながら、クライアントに最適なアドバイスをすることが大切になります。
保険業法・金融商品取引法
保険業法は保険商品に関する法律で、金融商品取引法は証券取引などに関する法律です。
FPはこれらの法律を理解し、クライアントに適切な保険や投資商品を提案する必要があります。
まとめ
ファイナンシャルプランナーは、顧客の資金計画や資産運用をサポートする専門家です。
この職業では、顧客の利益を最優先し、高い倫理観を持つことが求められます。
また、金融商品取引法や個人情報保護法などの関連法規の遵守も重要です。
実際には、顧客の個人情報の厳重な管理や、適切な投資商品の提案に注意が必要となるでしょう。
これらの法規を遵守することで、顧客の利益と信頼を守り、専門家としての責任を果たすことができます。
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